はじめに
Windows 11 へのアップグレードは、条件を満たしていないPCには非常に厳しい壁です。私のPCもまさにその対象で、何度試しても「アップグレードできません」「変更を元に戻しています」と失敗続き。
しかし、ついにアップグレードに成功しました。この記事では、その全記録を共有します。
環境情報
- OS:Windows 10 Pro(当初はMBR+Legacy BIOS)
- ブート:当初はUEFI無効 → MBR→GPT変換とUEFI有効化を実施
- TPM:なし
- セキュアブート:無効
- ディスク:SSD 1TB
- 使用インストーラ:Windows 11 ISOファイルから実行
- アップグレード経歴:Windows XP → 7 → 10 → 今回11へアップグレード成功
- 問題:互換性チェックで必ず「非互換なドライバ」が原因でブロックされる
これまでの失敗と試行錯誤(※代表例のみ記載)
| 方法 | 結果 | エラー内容 |
|---|---|---|
| setup.exe 通常実行 | × | PCがWindows 11に対応していません |
/compat ignorewarning 使用 | × | コンピューターに対する変更を元に戻しています |
| appraiserres.dll削除 | × | ドライバ互換性エラー |
| ドライバ削除/再起動繰り返し | × | 状況変わらず |
| レジストリ編集/サービス停止 | × | 成功せず |
| UEFI無効 → UEFI有効+MBR→GPT変換 | × | ドライバ互換性により失敗 |
原因:
原因は、以下のようなドライバがブロック要因となっていたこと:
ftdibus.sys(古いUSBシリアル)imgdrive.sys(仮想ディスク)lvbflt64.sys,lvrs64.sys(Logicoolカメラ)WmFilter.sys,WmVirHid.sys,WmXlCore.sys(Logicoolゲームデバイス)xusb21.sys(古いXboxドライバ)p1c1394_ws03_x64.sys(Phase One カメラ)pxhlpa64.sys(古いオーディオ関係)
これらが .sys.bak にリネームしても検出されてしまい、実体が残っている限りアップグレードをブロックし続けるという仕様だった。

※拡張子が .bak になっているのに、互換性のないドライバとして認識されている。
問題の核心:互換性のないドライバ
Windowsセキュリティの「メモリ整合性」チェックに注目
「メモリ整合性」がオンにできるかが一つの指標になった。以下のファイルが存在しているとオンにできず、アップグレードの障害となる:
lvbflt64.sys.bakWmFilter.sys.bakWmVirHid.sys.baklvrs64.sys.bakp1c1394_ws03_x64.sys.bakxusb21.sys.bak
.sys.bak にリネームしただけでは不十分で、DriverStoreやProgram Filesなどに残る実体も削除し、INFファイルもアンインストールし、レジストリからも削除する必要があった。
不要ドライバの探し方
- Windows セキュリティ → デバイス セキュリティ → コア分離 → メモリ整合性 を確認し、互換性エラーのドライバ名をメモする。
pnputil /enum-driversで該当ドライバのoemXX.infを特定。pnputil /delete-driver oemXX.inf /uninstall /forceで削除。- PowerShellやバッチで
.sysファイルを検索し.bakにリネームまたは削除。 - レジストリの
HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Servicesから該当ドライバのキーを削除。 - 再起動後、「メモリ整合性」がオンにできるか確認。
実行した対策
- 該当 .sys.bak ファイルの物理削除(PowerShellで一括)
C:\Program Files\** やDriverStore以下に潜む同名ファイルも手動削除**pnputil** による INF ファイルのアンインストール**- レジストリの
HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Services以下を全チェック・削除 - メモリ整合性がONにできたことを確認
アップグレード実行時のコマンド
1 | setup.exe /auto upgrade /dynamicupdate disable /compat ignorewarning |
これでついにアップグレードが始まり、途中でロールバックせず、正常にWindows 11が起動。
副次的にやったこと(削除できなかった)
C:\$WINDOWS.~BTや$Windows.~WSフォルダの削除は試したがロックで失敗- UnlockerやPowerShellでも削除できず、結局そのままアップグレードして問題なし
復元作業
アップグレードに備えて一時停止していたサードパーティサービスは、PowerShellスクリプトで復元:
1 | .\Restore-3rdPartyServices.ps1 -CsvPath "service_backup.csv" |
一部削除済のサービス(VMWare系やWacom等)は無視され、安全に復旧できた。
結論と教訓
- 問題の原因は「過去に使っていたが削除されずに残っていたドライバの .bak ファイルと INF・レジストリの残骸」
- INFファイルとDriverStoreに潜む残骸がアップグレード失敗の本当の元凶だった
- 最終的には、やれることはすべてやった先に、突破口があった
- MBR→GPT変換、UEFIブートの有効化も重要な土台作業だった
setup.exeバイパスコマンドと、ドライバ・レジストリ・サービスの三点セット対処がカギ








