Claude CodeやCodexでは、MCPツールを追加することでPlaywrightによるブラウザ操作、外部ドキュメントの参照、コードベースの意味検索など、扱える機能が増えます。
自分の環境でも複数のMCPツールを導入していましたが、利用を続ける中で「使っていないMCPツールまで常時ONにしておく必要があるのか」という疑問が生じました。使えるツールが多いほど便利だと考えていたものの、実際にはセッション開始時の重さやトークン消費が気になる場面が増えてきたためです。
そこで不要なMCPツールを整理し、普段使わないものをOFFにしたところ、体感として動作が軽くなりました。厳密なベンチマークではありませんが、実務でAIエージェントを使う場合、MCPの導入方針は整理しておく必要があります。
MCPは便利だが、入れすぎると重くなる
MCPは、AIエージェントに外部ツールやデータソースを接続するための仕組みです。たとえば、以下のような操作が可能になります。
- ブラウザ操作
- カレンダー連携
- ファイル検索
- 外部APIの実行
- データベース参照
- コードベースの意味検索
課題となるのは、便利そうだからといってすべて常時入れておく運用です。
MCPツールを追加すると、そのツールの概要や機能、必要な引数といった情報がAIエージェント側に渡されます。そのため、実際にはツールを使っていなくても、AIエージェントのコンテキストや判断に影響する可能性があります。この点を見落としていました。
実際に入れていたMCPツール
自分の環境では、Claude CodeやCodexに以下のようなMCPツールを接続していました。
- Playwright
- Serena
- context-mode
- computer-use
- scheduled-tasks
- mcp-registry
- 検証用に入れたMCPツール
当初は「必要になったときに使えれば便利」と考えていましたが、すべての作業で必要になるわけではありません。CSSの微修正、WordPressテーマの1ファイル確認、PHPの条件分岐の調整といった作業では、PlaywrightもSerenaも不要な場合が大半です。
それにもかかわらず常時ONにしていると、AIエージェントにとって選択可能な道具が増えすぎ、次のような状態になっていました。
- セッション開始時点で余計な情報が増える
- 使わないツールまで候補に入る
- AIが不要なツール使用を検討する
- コンテキスト消費が増える
- 動作や返答が重く感じる
- 作業内容に対してツール構成が過剰になる
特に小規模な修正では、MCPツールを多く入れておくメリットは小さく、余計な選択肢を増やす結果になっていました。
不要なMCPツールをOFFにした
そこで、普段使わないMCPツールを以下の基準でOFFにしました。
- ブラウザ操作が不要なときは Playwright をOFF
- 大規模なコード調査が不要なときは Serena をOFF
- 長時間作業でないときは context-mode を使わない
- 用途が不明なMCPは削除または無効化
- 検証用に入れたMCPは常用設定から外す
- エラーが出ているMCPは放置せず、使わないなら外す
この整理によって、セッション開始時の重さや不要なツール呼び出しが減り、トークン消費も以前より安定しました。
ツールの種類や設定、プロジェクト規模によって差はあると思われますが、使っていないMCPを常時ONにしない方針は実務において有効です。
MCPを使わないほうがいい、という話ではない
MCP自体に問題があるわけではなく、以下のような作業では効果を発揮します。
- 大量ファイルの調査
- 複数ファイルにまたがる影響確認
- ブラウザ上での動作検証
- 外部ドキュメントの参照
- 既存コードベースの意味検索
- 長時間にわたる実装作業
このような場面では、MCPを使うことで作業効率が上がります。
問題になるのは、作業内容に関係なく常時ONにしてしまうことです。小さなCSS修正を行うだけなのに、ブラウザ操作、外部API、コード検索、カレンダー連携までがすべてONになっている状態は過剰です。ドライバー1本で済む作業に、工具箱をすべて広げる必要はありません。
自分の運用ルール
現在は、MCPツールを以下の3つに分けて運用しています。
常時ONでもよいもの
毎回使うものだけに絞ります。用途が明確で軽量であり、プロジェクト作業にほぼ必須のものは常時ONにして問題ありません。「なんとなく便利そう」という理由では常時ONにしないようにしています。
必要なときだけONにするもの
Playwright、Serena、大規模コード検索系、外部サービス連携系、ブラウザ操作系は、必要なときだけ使う方針にしました。
特にSerenaのようなコード理解・検索系のツールは、大きめの調査では役立ちますが、単一ファイルの軽微な修正では過剰になることがあります。
基本OFFでよいもの
用途が曖昧なもの、導入目的を忘れたもの、検証用に入れたもの、エラーが出ているものは基本OFFにします。
「いつか使うかもしれない」と考えて残しておくとノイズになるため、使うときに入れ、使わなくなったら外す運用にしています。
グローバル設定に全部入れない
Claude Code / Codex のMCP設定をグローバルに入れると、どのプロジェクトでも同じツールが見える状態になります。
Web制作の実務では、静的HTMLの修正、WordPressテーマ開発、サーバ調査、ブラウザ検証など、案件や作業内容によって必要なツールが異なります。案件Aでは必要なMCPが、案件Bでは不要になることも珍しくありません。
そのため、現在は以下のように分けて管理しています。
- グローバル設定は最小限
- プロジェクト設定に案件ごとのMCPを入れる
- 一時的に使うMCPは常用設定に入れない
- 検証用MCPは検証が終わったら外す
特に実務案件では、グローバル設定を最小限に留めておくほうが安全です。
AIエージェントには「道具を減らす」ことも必要
AIエージェントを使っていると、ブラウザ操作やDB参照、外部API実行、コード検索など、できることを増やしたくなります。
しかし実務では、できることを絞ったほうが動作が安定する場面もあります。AIエージェントに不要な道具を渡しすぎると判断範囲が広がり、作業に関係ないツールまで候補に入ってコンテキストを消費するためです。
AIを活用するためにツールを増やすだけでなく、今の作業に不要なツールは渡さない設計も同時に求められます。
まとめ
MCPはClaude CodeやCodexを拡張する便利な仕組みですが、何でも常時ONにするとトークン消費やコンテキスト使用量が増え、作業効率が落ちることがあります。
自分の環境では、不要なMCPツールをOFFにしたことで動作が軽くなり、トークン消費も安定しました。今後は以下の方針で運用していきます。
- MCPは必要なものだけONにする
- グローバル設定は最小限にする
- 重いMCPは必要なときだけ使う
- 小規模修正ではMCPを増やしすぎない
- プロジェクトごとにMCP構成を分ける
- 何のために使うMCPなのかを明確にする
AIエージェントの性能を引き出すには、便利なツールを増やすだけでなく、不要なツールを減らす運用設計も欠かせません。MCPは必要な場面で必要なものだけを使うほうが、実務では安定しやすくなります。