【0xC1900101-0x40017】10回以上失敗したWindows 11アップグレードが、ついに成功した話


はじめに

Windows 11 へのアップグレードは、条件を満たしていないPCには非常に厳しい壁です。私のPCもまさにその対象で、何度試しても「アップグレードできません」「変更を元に戻しています」と失敗続き。

しかし、ついにアップグレードに成功しました。この記事では、その全記録を共有します。


環境情報

  • OS:Windows 10 Pro(当初はMBR+Legacy BIOS)
  • ブート:当初はUEFI無効 → MBR→GPT変換とUEFI有効化を実施
  • TPM:なし
  • セキュアブート:無効
  • ディスク:SSD 1TB
  • 使用インストーラ:Windows 11 ISOファイルから実行
  • アップグレード経歴:Windows XP → 7 → 10 → 今回11へアップグレード成功
  • 問題:互換性チェックで必ず「非互換なドライバ」が原因でブロックされる

これまでの失敗と試行錯誤(※代表例のみ記載)

方法結果エラー内容
setup.exe 通常実行×PCがWindows 11に対応していません
/compat ignorewarning 使用×コンピューターに対する変更を元に戻しています
appraiserres.dll削除×ドライバ互換性エラー
ドライバ削除/再起動繰り返し×状況変わらず
レジストリ編集/サービス停止×成功せず
UEFI無効 → UEFI有効+MBR→GPT変換×ドライバ互換性により失敗

原因:

原因は、以下のようなドライバがブロック要因となっていたこと:

  • ftdibus.sys (古いUSBシリアル)
  • imgdrive.sys(仮想ディスク)
  • lvbflt64.sys, lvrs64.sys(Logicoolカメラ)
  • WmFilter.sys, WmVirHid.sys, WmXlCore.sys(Logicoolゲームデバイス)
  • xusb21.sys(古いXboxドライバ)
  • p1c1394_ws03_x64.sys(Phase One カメラ)
  • pxhlpa64.sys(古いオーディオ関係)

これらが .sys.bak にリネームしても検出されてしまい、実体が残っている限りアップグレードをブロックし続けるという仕様だった。

※拡張子が .bak になっているのに、互換性のないドライバとして認識されている。


問題の核心:互換性のないドライバ

Windowsセキュリティの「メモリ整合性」チェックに注目

「メモリ整合性」がオンにできるかが一つの指標になった。以下のファイルが存在しているとオンにできず、アップグレードの障害となる:

  • lvbflt64.sys.bak
  • WmFilter.sys.bak
  • WmVirHid.sys.bak
  • lvrs64.sys.bak
  • p1c1394_ws03_x64.sys.bak
  • xusb21.sys.bak

.sys.bak にリネームしただけでは不十分で、DriverStoreやProgram Filesなどに残る実体も削除し、INFファイルもアンインストールし、レジストリからも削除する必要があった。

不要ドライバの探し方

  1. Windows セキュリティ → デバイス セキュリティ → コア分離 → メモリ整合性 を確認し、互換性エラーのドライバ名をメモする。
  2. pnputil /enum-drivers で該当ドライバの oemXX.inf を特定。
  3. pnputil /delete-driver oemXX.inf /uninstall /force で削除。
  4. PowerShellやバッチで .sys ファイルを検索し .bak にリネームまたは削除。
  5. レジストリの HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Services から該当ドライバのキーを削除。
  6. 再起動後、「メモリ整合性」がオンにできるか確認。

実行した対策

  1. 該当 .sys.bak ファイルの物理削除(PowerShellで一括)
  2. C:\Program Files\** や DriverStore 以下に潜む同名ファイルも手動削除**
  3. pnputil** による INF ファイルのアンインストール**
  4. レジストリの HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Services 以下を全チェック・削除
  5. メモリ整合性がONにできたことを確認

アップグレード実行時のコマンド

これでついにアップグレードが始まり、途中でロールバックせず、正常にWindows 11が起動。


副次的にやったこと(削除できなかった)

  • C:\$WINDOWS.~BT$Windows.~WS フォルダの削除は試したがロックで失敗
  • UnlockerやPowerShellでも削除できず、結局そのままアップグレードして問題なし

復元作業

アップグレードに備えて一時停止していたサードパーティサービスは、PowerShellスクリプトで復元:

一部削除済のサービス(VMWare系やWacom等)は無視され、安全に復旧できた。


結論と教訓

  • 問題の原因は「過去に使っていたが削除されずに残っていたドライバの .bak ファイルと INF・レジストリの残骸」
  • INFファイルとDriverStoreに潜む残骸がアップグレード失敗の本当の元凶だった
  • 最終的には、やれることはすべてやった先に、突破口があった
  • MBR→GPT変換、UEFIブートの有効化も重要な土台作業だった
  • setup.exe バイパスコマンドと、ドライバ・レジストリ・サービスの三点セット対処がカギ

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